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【対馬ルリ子医師×岸紅子対談(前編)】女性のあらゆる健康を実現する「統合医療」とは

COLUMN
2018.02.08

「統合医療」は、西洋医学を基にした医療と、植物療法などの自然治癒力を向上させる代替医療を合わせた医療のことで、患者一人一人の心身の状態に合わせた最適な治療が施されるものとして、今、大きな注目を集めています。

その「統合医療」について、「対馬ルリ子女性ライフクリニック」を運営する産婦人科医・対馬ルリ子さんと、女性の心と身体のセルフケアに的を絞った啓発団体「NPO法人日本ホリスティックビューティ協会(HBA)」代表理事・岸紅子さんに話を伺いました。前編では「統合医療」の定義について、そして健康への意識の大切さを語ってくれています。

【統合医療という考え方で重要なのは定義の部分】

――まず、「統合医療」についてお二人の見解を聞かせてください。

対馬ルリ子さん:私にとっての「統合医療」とは、身体的、精神的、社会的に良好な状態にあることを意味する健康の定義“ウェルビーイング(Well-being)”を実現するための医療です。日本では、疾患があれば、学会のガイドラインに沿った治療が施されますが、それでも症状があり苦しい場合は、「仕方ないですね」と諦められることが多いです。でも、“ウェルビーイング”の視点で考えれば、もっとできることはあって、その人の人生に寄り添い、生き生きした状態にもっていくために相談にのったり、必要な情報を提供するためにネットワークを繋げてあげたりすることも含めて、「統合医療」と考えています。

――ホリスティックには「全的」という意味があり、岸さんが提唱する「ホリスティックビューティ」は「統合医療」に通じるものがありますね。

岸紅子さん:はい、ホリスティックの考えは、まさに統合医療やウェルビーイングの考えと同じです。高次の健康を保ち、人間が本来持つ自然治癒力を機能させて、内側からの真の美しさを引き出し、はつらつとした日々を送ることを目的としています。その中で、メディカルな治療が必要な場合もあれば、身体的、あるいは心のトリートメントが必要な場合もあり、包括的なケアが必要と考えています

【ヘルスリテラシーって知っていますか?】

――「統合医療」により患者の選択肢が増えることはいいのですが、混乱してしまう人もいそうですね。

岸さん:そうですね。一つのソリューションがすべての人たちに当てはまるわけではないので、実践してみたけど上手くいかないこともあるでしょう。患者それぞれの個性、バックグラウンド、生活習慣などが違うし、差異が出るのは当たり前ということを理解できないといけません。だからこそ「まな板の上の鯉」になるのではなく、自分がどう生きたいか、どういう健康状態でいたいか、どんな社会性を築き上げていきたいかなどを自分中心で考え、自立する必要があります。そうすれば、どの医療、どの自然療法を選択するべきかを見極めることができるようになると思います。

対馬さん:それは“ヘルス・リテラシー”と言って、健康に関するいろいろな情報を理解し、選択し、取り入れ、何カ月、あるいは何年か経ったとき、それが自分にとって良かったのか、もう少し工夫した方がいいのか、違っていたのかを評価する能力で、誰にとっても大切なものですが、圧倒的に足りていない人が多いです。だから、「自然なものでなければダメ」「病院はダメ」と偏見を持つ患者や、「処方薬以外の薬やサプリ、漢方は絶対にダメ」と、病気の治療のためだけに生きていかなければいけないような言い方をする医者が出てくるのです。二者択一ではなく、複合的に考えることが大切なのに、おかしいですよね。“ウェルビーイング”は今だけではない一生の問題なので、皆さんにはより賢くなってほしいです。

【女性としてキラキラ生きていくために】

――では、“ヘルス・リテラシー”を身につけるためにはどうすればいいのでしょうか。

対馬さん:やはり検診を受けて、自分の状態を客観的に知ること。それによって、医者もより良い健康のためのアドバイスができます。実際、50歳になるまで一度も検診を受けたことがないという女性がいまだにいらして、これはひどいな…と驚いています。

岸さん:自分を知ることが最初のステップであり、大人の女性としての教養ですよね。例えば、ニキビができたときに、原因が寝不足なのか、ストレスなのか、チョコレートなのか、自己観察力を持っていれば、それは容易にわかりますよね。そうやって原因がわかれば、未然に防ぐ知恵になります。寝不足にならないため、ストレスをためないためのソリューションを考えて実践することができ、より早く悩みを解消できると思います。

対馬さん:日本人女性はとても真面目で、会社や親、パートナーからの評価にばかりフォーカスして、自分の内側に注意を向けるとか、自分の身体をいたわる意識が薄くなりがちで、結局、大人の女性としての自覚を育てられず、自分が本当に何をやりたかったか、どういう生き方をしたかったのかがわからなくなっていることは残念です。だから、一度立ち止まってほしい。悩みを抱えたまま無理やり進もうとせず、自分を客観視できるまでブレイクを取って、エネルギーを蓄えてから一歩を踏み出してもいいと思います。

岸さん:自分の中での成功体験が増えることで、だんだん自信がついていきますし、自分の人生を自分でドライブしている感覚が持てれば、もっと美しく輝いて見えますよね。そうなれば、周りの人にも愛や幸せを与えられるようにもなるからので、まずは自分を満たしてほしいですね。

【ストレス社会だからこそ、美への意識が大切】

――それは、岸さんがよくおっしゃっている「心の領域が人を美しくさせる」ということですね。

岸さん:その通りです。フィジカル、メンタル、スピリチュアル。すべてが繋がっていることが人間の本質的な姿です。だから、五感を生かして、日常の中で感じることにフタをせず、たくさんのことを心に取り入れれば、身体の自然治癒力や、より健康になる力が刺激され、活力ある生活が送れます。心地よいことに貪欲になることはビューティーにも繋がりますので、スキンケアに時間をかける、散歩をする、オーガニックの下着を身に着けるなど、自分にとって五感が喜ぶチョイスをしてください。そうすれば、セロトニン、オキシトシン、エンドルフィンといった幸せホルモンも分泌されて、体調も肌の調子も整い、美しくなれるので、ストレスフルな人ほどぜひやってほしいです。

対馬さん:そうね。人間としての尊厳ある自分自身が根っこにないと、いくら飾り立てても本当の美しさではないし、本当の幸せではないね。根っこ作りに必要なことは、ちゃんと食べて、ちゃんと寝て、元気よく挨拶をして、人と楽しい生活を送れるように努力する。そして、検診を毎年受けること。それも、男性と同じ検診ではなく、乳がん、リウマチ、糖尿病、甲状腺の病気など、女性特有と言われる病気の検診を受けること。これらは最初は症状が出にくいので、早めに検診に行ってほしいですね。

岸さん:わたしは自由業なので、お誕生日月に検診すると決めています。

対馬さん:自分の意志で検診している人はいいですね。検診料は自分に投資するお金と一緒だから、リターンは大きくしたいと思って、病気や健康についても一生懸命勉強しますからね。会社の義務だから…とイヤイヤ病院に行っている人は、その結果も放っておきがちですよ。

いかがでしたでしょうか。後半では具体的な「肌ストレス」の予防と事後の対策について話してくれています。公開をお楽しみに!

【対馬ルリ子プロフィール】

医療法人社団 ウィミンズ・ウェルネス 理事長
対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座 院長
産婦人科医師、医学博士(専門は周産期学、ウィメンズヘルス)
日本産婦人科学会 専門医
母体保護法 指定医
東京産婦人科医会 理事
NPO法人女性医療ネットワーク 理事長
日本思春期学会 理事
日本性感染症学会 代議員
東京大学医学部大学院 非常勤講師
日本産科婦人科学会 女性ヘルスケア委員会 委員
厚生労働省 女性の健康の包括的支援総合政策研究事業 研究班
ウィメンズ・ヘルス・アクション実行委員会 副代表

青森県出身。家族は夫と娘二人。
1984年弘前大学医学部卒業、東京大学医学部産科婦人科学教室入局、
都立墨東病院周産期センター産婦人科医長などを経て、
2002年にウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック、現女性ライフクリニック銀座開院。
2012年女性ライフクリニック新宿併設。
2017年日本家族計画協会「第21回 松本賞」受賞。
2017年デーリー東北新聞社「デーリー東北賞」受賞。
2003年に女性の心と、社会とのかかわりを総合的にとらえ女性の生涯にわたる健康を推進するNPO法人「女性医療ネットワーク」を設立、
全国約600名の医師、医療保健関係者と連携し、さまざまな啓発活動や政策提言を行っている。

 

【岸紅子プロフィール】

NPO法人日本ホリスティックビューティ協会 代表理事
ホリスティック美容家
環境省「つなげよう、支えよう森里川海」アンバサダー
発酵食アドバイザー
睡眠美容研究家

1974年東京都生まれ。1児の母。
大学時代に同居していた祖父母の相次ぐ闘病・他界を前に、人間の治癒力に興味を持ち、ホリスティック医療(西洋医学だけではない統合的医療)に出会う。心とのつながりに惹かれ、アルバイトとして始めた美容ライターや読者モデルなどで、お金を貯めてはさまざまな自然療法(アロマセラピー、リフレクソロジー、タラソセラピー、ハーブ療法、ホメオパシーなど)を学ぶためにイギリスやアメリカ、ヨーロッパを旅する学生時代を過ごす。

大学卒業後は美容マーケティングの会社を起業し、さまざまなプロモーション、商品開発などに関わり、メディアでも多くの連載を持つ。そんな中、ストレス性喘息を発症。また、結婚直後の31歳で子宮内膜症を発症し、治療のため仕事一辺倒の生活を見直すことを余儀なくされる。

病と向き合いながら改めて自然治癒力の大切さを感じ、これを高めるライフスタイルを現代女性の知識として伝承することを一生の仕事にしようと決める。多くの医師や美容・健康の専門家と提携し、2010年「ホリスティックビューティ検定」をスタートし多くのホリージョ(ホリスティックビューティな女性)を輩出。

また、メディア出演・著書やセミナー・イベントなどを通して「温活」「菌活」「腸活」といったセルフケアの考え方を普及し、オーガニック&ウェルビーイングのムーブメントを牽引し続けている。発酵食アドバイザーでもある。

<関連リンク>

対馬ルリ子女性ライフクリニック|東京都中央区銀座の女医による婦人科・女性検診
http://www.w-wellness.com

NPO法人日本ホリスティックビューティ協会: HBA
https://h-beauty.info