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【対馬ルリ子医師×岸紅子対談(後編)】女性のあらゆる健康を実現する「統合医療」とは

COLUMN
2018.02.08

「統合医療」は、西洋医学を基にした医療と、植物療法などの自然治癒力を向上させる代替医療を合わせた医療のことで、患者一人一人の心身の状態に合わせた最適な治療が施されるものとして、今、大きな注目を集めています。

その「統合医療」について、「対馬ルリ子女性ライフクリニック」を運営する産婦人科医・対馬ルリ子さんと、女性の心と身体のセルフケアに的を絞った啓発団体「NPO法人日本ホリスティックビューティ協会(HBA)」代表理事・岸紅子さんに話を伺いました。前編に続いての後編では、女性の健康問題に意欲的なお二人ならでは、自らの経験に基づく建設的な議論の応酬は、教育や社会の問題点にまで及んでいます。そして専門家ならではの「肌トラブル」の予防と事後のケアはどういったものか、最後までお見逃しなく。

【女性特有の病気の検診は若いうちからやっておくべき】

――女性特有の病気について検診をすすめる対馬先生や、美容家として「誕生日月に検診すると決めています」と断言する岸さん。お二人の話を聞いていると、健康に対するきちんとした意識を若い頃から持つ必要性を感じます。

対馬さん:検診も欧米の女の子は普通にやっていることだけど、日本の女性は10代、20代、30代と何もやって来ず、40歳くらいになって『なんかちょっと身体が変だな…』と感じて初めて病院に来る方が多いです。でも、それは本人が悪いわけではなく、日本の教育が悪いからで、いまだに女性を尊重する社会意識が低過ぎる現状が問題です。それによって、女性たちも自分のことを後回しにするようになっていると感じます。欧米では女性に対する意識改革は70年代には実現されていますよ。

岸さん:ティーンの頃から、「自分たち女性の身体はこういうもので、社会に出て、こういう働き方していたら、ストレスや女性ホルモンの乱れによる病気が起き得るよ」ということを、もっと前に知っておきたかったと嘆いている女性は大勢いますよね。

対馬さん:そのためにも、紅ちゃんみたいな美容家が医療についても勉強して、医療と美容、両方の情報を発信してくれると、若い女性もアクセスしやすくなるかもしれないね。

【肌トラブル対策①~予防が肝心!】

――女性は医療よりも美容に興味が行きがちですから、そのアプローチはいいですね。では、美容面で、トラブルが表面化する前に取り入れておくべきことはありますか。

対馬さん:肌トラブルを防ぐために大事なことは断然、保湿。そしてストレスをためないこと。脳と皮膚は同じ外胚葉由来だから、脳で感じたことはすべて皮膚に響きます。特に女性は、女性ホルモンの揺らぎに比例して、感情も揺らぎ、それによって皮膚の調子まで変わります。それから、真面目な人は“ダメダメ思考”になりやすくて、自分にバツをつけがちだけど、そうすると脳が「自分はダメなんだ…」と信じてしまい、肌も荒れてしまうの。だから、なるべく明るく、楽しく、いい言葉を使って、なりたい自分をイメージして「こうなる!」と言い切ってください。そうすれば脳が信じるようになり、それが実現するし、皮膚の状態も良くなりますよ。

岸さん:そうですね。「ありがとう」とか「嬉しい」とか「楽しい」とか「今日も調子いいね」ってポジティブな言葉を自分にかけてあげるだけで、コンディションは全然違いますよね。

対馬さん:あとは、ニッコリ笑うと、脳に「笑った」「嬉しいんだ」という情報が行きますよ。

岸さん:ウソ笑いでもいいですよね。それだけでナチュラルキラー細胞の数が増えるから。

対馬さん:そう。脳はすぐに騙されるから。ナチュラルキラー細胞は身体の中にある腫瘍細胞やウイルス感染細胞などの異物を発見して、すぐに排除してくれる免疫細胞ですが、これが減ると免疫力が低下して不要な細胞があちこちの臓器に発生して病気になったりするの。だから、ナチュラルキラー細胞を増やすためにも、美肌のためにも、笑うことはとてもいいですよ。

【肌トラブル対策②~スキンケア用品の見直し】

――予防、対策はとても大事なんですね。それではすでに起きてしまった肌トラブルにはどう対処すべきでしょうか。

岸さん:20代半ばを過ぎた女性のフェイスラインにニキビができているのを見ると「頑張っているなぁ」って抱きしめたくなりますね。でも、中にはスキンケア用品の選び方や使い方を間違えている人もいますから、一度、見直してほしいですね。良質な素材、しっかりとした情報提供、エビデンス、好みの香りやテクスチャー、製品のコンセプトなど、化粧品選びは多角的に吟味して、共感できるものを選んで欲しいです。毎日のスキンケアが心から癒される時間となるように。

対馬さん:そうね。安心でいいものをケチケチしないで、たっぷり使うことは大事ね。

岸さん:それでも肌トラブルが起きてしまう人は、食生活や心の状態に危機があってバランスを崩しているのでしょう。そうなるとスキンケアだけでは改善しないから、中から変えていかなければいけませんね。やっぱり、ビューティーもトータルなものですから。

いかがだったでしょうか。女性の病気への認識(ヘルス・リテラシー)はまだまだ発展途上にあります。対馬さん、岸さんが自らの経験から社会や教育に問題があると断言し、後進のために進んで方向性を提示する姿勢には頭が下がる思いでした。皆さんも経験者の貴重な意見に耳を傾けて、自分にいいことをしてあげてください。スキンケア用品の見直しもお忘れなく!

【対馬ルリ子プロフィール】

医療法人社団 ウィミンズ・ウェルネス 理事長
対馬ルリ子女性ライフクリニック銀座 院長
産婦人科医師、医学博士(専門は周産期学、ウィメンズヘルス)
日本産婦人科学会 専門医
母体保護法 指定医
東京産婦人科医会 理事
NPO法人女性医療ネットワーク 理事長
日本思春期学会 理事
日本性感染症学会 代議員
東京大学医学部大学院 非常勤講師
日本産科婦人科学会 女性ヘルスケア委員会 委員
厚生労働省 女性の健康の包括的支援総合政策研究事業 研究班
ウィメンズ・ヘルス・アクション実行委員会 副代表

青森県出身。家族は夫と娘二人。
1984年弘前大学医学部卒業、東京大学医学部産科婦人科学教室入局、
都立墨東病院周産期センター産婦人科医長などを経て、
2002年にウィミンズ・ウェルネス銀座クリニック、現女性ライフクリニック銀座開院。
2012年女性ライフクリニック新宿併設。
2017年日本家族計画協会「第21回 松本賞」受賞。
2017年デーリー東北新聞社「デーリー東北賞」受賞。
2003年に女性の心と、社会とのかかわりを総合的にとらえ女性の生涯にわたる健康を推進するNPO法人「女性医療ネットワーク」を設立、
全国約600名の医師、医療保健関係者と連携し、さまざまな啓発活動や政策提言を行っている。

 

【岸紅子プロフィール】

NPO法人日本ホリスティックビューティ協会 代表理事
ホリスティック美容家
環境省「つなげよう、支えよう森里川海」アンバサダー
発酵食アドバイザー
睡眠美容研究家

1974年東京都生まれ。1児の母。
大学時代に同居していた祖父母の相次ぐ闘病・他界を前に、人間の治癒力に興味を持ち、ホリスティック医療(西洋医学だけではない統合的医療)に出会う。心とのつながりに惹かれ、アルバイトとして始めた美容ライターや読者モデルなどで、お金を貯めてはさまざまな自然療法(アロマセラピー、リフレクソロジー、タラソセラピー、ハーブ療法、ホメオパシーなど)を学ぶためにイギリスやアメリカ、ヨーロッパを旅する学生時代を過ごす。

大学卒業後は美容マーケティングの会社を起業し、さまざまなプロモーション、商品開発などに関わり、メディアでも多くの連載を持つ。そんな中、ストレス性喘息を発症。また、結婚直後の31歳で子宮内膜症を発症し、治療のため仕事一辺倒の生活を見直すことを余儀なくされる。

病と向き合いながら改めて自然治癒力の大切さを感じ、これを高めるライフスタイルを現代女性の知識として伝承することを一生の仕事にしようと決める。多くの医師や美容・健康の専門家と提携し、2010年「ホリスティックビューティ検定」をスタートし多くのホリージョ(ホリスティックビューティな女性)を輩出。

また、メディア出演・著書やセミナー・イベントなどを通して「温活」「菌活」「腸活」といったセルフケアの考え方を普及し、オーガニック&ウェルビーイングのムーブメントを牽引し続けている。発酵食アドバイザーでもある。

<関連リンク>

対馬ルリ子女性ライフクリニック|東京都中央区銀座の女医による婦人科・女性検診
http://www.w-wellness.com

NPO法人日本ホリスティックビューティ協会: HBA
https://h-beauty.info